【託された思い、未来へ贈る祈りの場所】
十年ほど前から、「ペットのお墓をつくってもらえないか」――そのようなご意見をいただくようになりました。そのご要望に応えたい気持ちはあり続けながらも、日々の業務に終われなかなか計画が進まずにいた時、コロナがやってきて、一旦足を止めることになります。そんな折、ご縁をくださったのが、ある一人のお檀家さんでした。
その方は、お子さんには恵まれませんでしたが、飼っていた猫を深く愛し、日々をともにされていました。 やがて、ご自身の最期を見据えられたとき、お寺へ多額のご寄進を託してくださいました。そこには、特定の使い道を定める言葉はありません。ただ、静かでまっすぐな「お寺のために」というお気持ちが込められていました。
私たちは、その想いをどのように受けとめ、どのように未来へつないでいくべきか、長く考え続けました。答えを見つける前に、その方はこの世を去られます。けれど、そのご寄進は、問いかけのように、私たちの中に残り続けました。
現代には、後継者がいないことからお墓を持つことに不安を感じている方が多くいらっしゃいます。同時に、家族のようにともに生きてきたペットと、できることなら一緒に眠りたい――そう願う声も、確かに増えています。その現実に向き合ったとき、私たちはひとつのかたちに思い至りました。
そのお檀家さんが愛された小さな命へのまなざしを思い、「ペットとともに入れるお墓であれば、お喜びいただけるのではないか」――そう考えるようになりました。こうして生まれたのが、ペットと一緒にも入れるお墓「清蓮の苑」です。 その方のお名前の一文字と、長昌寺でたくさん育てられている「蓮」に由来します。
2019年より、お寺では数多くの蓮を鉢で育ててきました。春には地域の方と植え付けをし、秋と冬には皆で鉢を運び、「蓮の咲くお寺」として徐々に地域に親しまれるようになって参りました。その蓮たちは、新たな墓地の風景として息づいていきます。
静かに並ぶ蓮の先、その中心に佇むのは、光に包まれた観音さまです。 原画を手がけてくださったのは、水墨画家の土屋秋恆先生。その一枚の水墨画は、クレアーレ熱海ゆがわら工房によって、221ピースのステンドグラスへと“翻訳”されました。さらに、お顔や衣の大切な部分には、土屋先生ご自身の筆が重ねられています。
墨と光が出会う――その静かな奇跡。ふたつが出会うことで生まれた観音さまは、この苑の象徴であると同時に、この墓地の永代供養墓として、これから多くの命を見守り続けます。それは、祈りのかたちとしては稀有でありながら、時を越えて人の心に響く美しさを宿しています。
思えば、土屋先生とのご縁もまた、ひとつの別れから始まりました。 2020年、長昌寺の象徴であった大きな松が枯れたとき、その在りし日の姿を水墨画として描いていただいたことが、この出会いのはじまりでした。 失われたものを、別のかたちで未来へと手渡す――その流れが、今ここへとつながっています。
令和という時代は、便利さと引き換えに、心の拠りどころを見失いがちな時代でもあります。 だからこそ、これからの未来にも、変わらず祈りの場所が必要であると感じます。
令和八年五月四日。
この光の観音さまに、魂が吹き込まれました。 それは、ひとりのお檀家さんの想いから始まり、たくさんの方々のご協力で形になった物語が、祈りの場として結実する日。そして同時に、未来へと手渡される“贈り物”のはじまりでもあります。
観音さまが、訪れる方それぞれの祈りに静かに寄り添い、そして「清蓮の苑」が、これから先も多くのご縁と想いが結ばれていく場所となりますように。
これは編集画面用のサンプルです。
「プレビュー」から実際の見た目をご確認ください。
宗派 |
曹洞宗 |
|---|---|
ご本尊さま |
釈迦牟尼佛 |
お寺の開いている時間 |
午前7時~午後5時 |
住所 |
東京都小金井市梶野町2-7-5 |
電話番号 |
0422-53-2738 |
駐車場・駐輪場 |
あり |
付帯施設 |
・葬儀会場 「三恵園」 ・集会所(RENTAL SPACE)「梶野LiNK」 ・TEMPLE LOUNGE 「keshiki」 ・生花室「黙 -mok-」 |
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